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マコト・フジムラコレクション展 『神の窓』

辰砂で造られた地にAugustinusの経文が敷きつめられ、その上下段に同じ街の風景が、上は銀泥、下は金泥にて描かれている。16枚の正方形の画面の淵に残された壁の白が、見る者からすると窓枠に見える。壁は、光源の反射を受け赤く染まった室内となる。

展示を終え、作家は俯瞰の場に乗った。と、突然嗚咽を始めた。こげ茶色の床に画面がきれいに映りこんでいたのだ、しかも天地が逆さまに。私も、息をのんだ。作家は、自分に言い聞かせるように「これが描きたかった」と言った。私は、「これが、描きたかったんだ」と繰り返した。

精神の世界を表現するのが芸術だという括りがあるとすれば、これこそ紛れもなく精神表現だと言えよう。作家がクリスチャンであることは既知のことであるが、作家は、びじゅつ室を祈りの場に設えた。そして、見る者たちに紛れもない祈りを経験させた。

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小島 靜ニ
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(マコト・フジムラ)
日系アメリカ人として1960年に生まれたマコトフジムラは、国際文化交流の鋭い意識を持ちあわせつつ、何の既成概念や呪縛を持たぬまま日本へと日本画を学びに留学し、純粋に一つの表現手段として日本画に対峙した。彼の根本的なテーマである「人と芸術とのコミュニケーション」をバックグラウンドとして、日本画の顔料を用いて表現の可能性を探る、斬新でかつ信念を持った力強い作品を提示してきた。コレクションはセイントルイス美術館、東京芸術大学美術館、山口県立美術館、東京現代美術館など。ニューヨーク、サンタフェ、そして今回松屋銀座での個展など、広い視野で活動をしている。

http://www.makotofujimura.com/