作品3点は、天井から吊られ、壁から離されて展示した。壁からの反射光にて作品を浮き上がらせた。現の先の世界を作品に投影したかったのであろう。作家は、ロウソクの揺らぐ光で見せたいとも言った。彼は、自分の作品で舞台を設定したかったのかもしれない。見る者たちは、このびじゅつ室では見る者ではなく、舞台に乗った役者となった。透き通った世界を望む作家が、役者となった見る者たちをその世界へと誘ってくれた。そして、展覧会タイトルである「気配」そのものとなった。
飛べない鳥の代表であるダチョウが、びじゅつ室の空間で、またその先で浮遊し、そして確かに飛んでいた。そこに設えられた気配は、彼岸との臨界点とも受け取れた。
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飛べない鳥の代表であるダチョウが、びじゅつ室の空間で、またその先で浮遊し、そして確かに飛んでいた。そこに設えられた気配は、彼岸との臨界点とも受け取れた。
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小島 靜ニ
(ふくい・こうたろう)
1969年 東京に生まれる
1992年 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
1994年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
1995年 第9回2001年青垣日本画大賞展 東京新聞賞受賞
2002年 第1回アミューズアーティストオーディショングランプリ受賞、第一回東山魁夷日経日本画大賞展推薦
2004年 「阿・・」が平成15年度文化庁買上げ作品に決定。第二回東山魁夷日経日本画大賞展推薦
2006年 春の叙勲褒章 紺綬褒章授与